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将棋は逆転のゲームです。繰り返します、将棋は逆転のゲームです。第33期竜王戦・第三局

エンジョイ将棋道場

みなさんこんにちは!

大阪市・越谷市のウェブ制作会社エンジョイワークスです。

 

 

 

 

さて連日お伝えしております、プロ将棋界の頂上決戦(の片方)竜王戦。

ここまで二局を終え、豊島将之竜王・羽生善治九段ともに1勝ずつで推移しています。

将棋に引き分けはありませんから(先日手というルールはあるが即指し直し)、

ここでどちらかが頭一つ抜けることになります。

 

 

 

お二人の対局では直近10局ほど「後手が勝ち続けている」というデータがあります。

第三局は羽生九段の先手、豊島竜王の後手となりました。

データどおりに豊島竜王が初防衛へ歩みを進めるか、

それとも流れを打破し羽生九段が通算100期に近づくか。

それでは対局、お願いいたします!!

(▲=先手・羽生九段/△=後手・豊島竜王)

 

 

 

 

序盤の主役は、羽生九段。

 

序盤の戦型は、相掛かりというオーソドックスな形になりました。

お互いが飛車先を付きあってじっくり指し進める流れです。

 

・・・のハズですよね?

なにやら羽生九段の飛車が怪しい動きを始めたではありませんか。

ビュンビュン横にとびまくって豊島竜王の飛び出た歩をかっさらっていきます。

歩を得できることはもちろんメリットですが、飛び出した飛車は狙い打ちされやすいので

リスクも大きい指し方です。果たして採算はとれるのか・・・?

 

一方、羽生九段の飛車の怪しげな動きに振り回されつつも

ジワジワと自陣を相手陣へ広げる豊島竜王。

将棋は陣取りゲームではありませんが、

攻撃の拠点を築くためには駒を前進させなくてはなりません。

居玉(王将を一歩も動かさないこと。一般的に避けるべきとされる)のまま、

ひたりひたりと先手陣に近づいていきます。

 

 

 

 

中盤の主役も、羽生九段。

 

双方の陣形が固まり、いよいよ戦いが始まるか・・・という局面。

検討室を驚かせるのはいつだって

“鬼畜眼鏡”(一部将棋ファンのあいだで定着している羽生九段の愛(?)称)さんです。

 

 

47手目、角を端にのぞかせる▲9七角!!

 

 

角を端に出してしまうと相手の歩→香車にとって格好の的になるため、

なんとかして避けたいのがアマチュアの感覚ですが、羽生さん、出しちゃうんですね。

もちろんそうするからには何らかの意図(将棋用語では「主張」という)があるわけで、

さすがは豊島竜王。すぐに殺到するようなことはせず、盤面を広く見て争点を広げます。

 

 

ここまで来たら、誰が見ても明らかな中盤戦。

駒取り合い・バランス崩し合いの壮絶な立ち会いです。

今回は豊島竜王が攻め、羽生九段が受ける格好に。

 

そのなかでも先手玉はヒタヒタと廊下を歩いて仮の住まいに到着しましたが、

一方の後手玉はいまだに居玉のまんまです。

まるで沈没するまで指揮をとりつづけるキャプテンのごとく、

豊島玉は5一の地点に鎮座し続けて総攻撃を仕掛けます。

果たして羽生玉はどこまで耐えられるでしょうか。。。

 

 

 

 

 

終盤の主役までも、羽生九段。

 

98手目、豊島竜王の△2六香でとうとう先手玉に王手がかかりました!

 

一般的に「王手」というと勝利目前みたいな印象がありますが、

本家本元の将棋ではそれほど切迫感がないので不思議です。

それもそのはず、玉は9方向すべてに動ける万能な駒であり、

「王手は追う手」ともいわれるほど逃げ足が早いんです。

 

なので対局においては闇雲に王手を狙うのではなく、

いかに逃げ道を塞ぐか(いわゆる「包むように寄せよ」)が重要なのですが、

それはまた別の機会に。

 

 

とはいえ終盤戦に突入したこと、これは確かです。

どちらが先に相手玉を詰ませられるか。駒の損得を無視した

“なりふり構わぬチキンレース”の火蓋が切って落とされました。

 

 

 

流れは完全に豊島竜王でした。

中盤からの総攻撃が功を奏し、着実に先手玉を追い込んでいきます。

一時はAIによる評価値が7割以上傾きました。傾いていたはずなんです。

 

 

なのにどうして数手先には

羽生九段のほうに8割傾いてるんですかねぇ・・・。

 

 

やはり居玉で攻め続けるリスクがたたったのか、

変わらず豊島竜王は羽生九段を追い詰め続けるのですが、

時間が少ないなかでも絶妙な受けをされて形勢が逆転。

「しのぎきれれば羽生九段が勝利」という判定をAIが下したのです。

 

 

 

そう、しのぎきれれば、ね。

 

 

 

おそらく全国の羽生九段ファンが逆転勝利を手にしたと思っていたことでしょう。

かくいう私もその一人でした。しかし、将棋は本当に恐いゲームなんですよ。。。

 

 

 

 

163手目、▲5三銀打ち。

 

 

 

 

何が起こったかというと、この一手で豊島竜王に評価値が9割傾きました。

直前まで起こっていた羽生九段の手ブル(勝ち筋が見えたときに出るとされる発作)

はたと止まりました。。。

 

 

持ち時間を使い切り1分秒読みのなかで、

自玉を追い込まれつつ相手玉に迫る唯一の抜け道を突き止めるのは、

トッププロ(ましてや羽生九段)であっても至難を極めるということ。

そして、何度繰り返したって構いませんが、将棋は逆転のゲームだということですね。

 

 

 

172手に及ぶ大熱戦の末に羽生九段が投了し、

豊島竜王が2勝1敗とした京都・仁和寺での二日間でした。

 

 

 

 

 

こんなに大変な勝負が、今月はもう2局。

 

なんだかんだで羽生九段ファンのライター2号。

あまりにも残念で晩ごはんの味がしなかったです。

それでもこれが将棋なんですね・・・。

 

第四局にはどんなドラマが待っているのでしょうか。

決戦は12日から。11月の激闘はまだまだ続きます。

 

あーもう、心臓がいくつあっても足りない・・・!