みなさま、ごきげんよう。
大阪市・越谷市のウェブ制作会社エンジョイワークス所属、
エンジョイ将棋道場・席主のJTでございます。
さて、部下を抱えていらっしゃるみなさまにおかれましては、
いかに彼ら彼女らの能力を最大限に活かすかという課題に
日々取り組まれていらっしゃることとお察ししますが、
こと将棋においても、そうした視点はたいへん重要になってくる次第でありまして。
将棋では駒のはたらく範囲を“効き”といいますが、その先に自軍の歩兵などが居座ると、
道が遮られてせっかくの能力を発揮できないという事態におちいります(桂馬をのぞく)。
そこで今回は、特に“効き”を意識したい駒について、盤面で解説しながらご紹介いたします。
よろしくお願いします<(_ _)>
“効き”を意識したい駒 その1:角行
まずご紹介したいのは、なんといっても角行です。
飛車とならび、攻め・守りの頼れる参謀である角行ですが、
初心者さまにおいては“効き”が通らずもちぐされになってしまう場面も多いのです。
まずは初期配置ですが、最初はコビン(斜めに隣接する部分)が歩兵で閉じられており、
これを一歩進めるだけで、相手陣まで効きが通ることになります。
(「角道を通す」という)
また、一気に終盤の局面にうつりますが(※盤面は解説用ですのでありえない局面ですが)
こちらは特に、対振り飛車戦において、美濃囲いを攻略する際に狙える手筋です。
7四に打たれた桂馬により王手になっていますが、
この桂馬を歩ではらうことはできません。なぜなら角の効きが相手玉に達してしまうからです。
そこで相手玉は1二か3一の地点に逃げるしかありませんが…
持ち駒に金があれば、いずれの場合も一撃で仕留めることができます。
(こうならないためにも相手は1三の歩を前に進めて逃げ道を確保しておく必要があるのです)
このように、角の強力な斜めの“効き”は、桂馬などほかの駒との連携によりさらに重厚な攻めを形づくることができます。
「遠見の角に好手あり」ともいいますが、角の効きをしっかりと活用することで、
終盤の大事な場面では攻防ともに大きな役割を果たすことが多いです。
“効き”を意識したい駒 その2:香車
そしてもう一つご紹介しておきたい駒は香車でございます。
香車は正面であればぶつかるところまで突き進むことができる駒ですが、
それと引き換えにバックしたり左右にそれたりといったことが一切できません。
それだけにその“効き”を理解し、より効果的に使うことが勝利にもつながります。
引き続き極端例となってしまいますが、この局面において
このように相手玉目前に打ち込むのはたしかに気持ちがいいです。
角が効いているため相手玉はこの香車をとれませんので、
飛車を確実に射抜くことができるわけです。
しかし、ここでもっとよいとされるだろう打ち方があります。
このように、効きが成立している範囲で可能なかぎり下段から香車を効かせるというものです。
歩兵を打つことで一旦は串刺しを回避できそうに見えますが、
そうしたところでその歩ははらわれ、先ほどの図とおなじ局面になります。
つまりいかなる駒が挟まったところで、無駄であるばかりか駒損でしかなく、
よってより効果の高い一手といえる、というわけなのでございます。
また前述のとおり、香車は左右うしろが死角となりますので、
そうした弱点を見せないという観点からも、「香は下段から打て」が有効となります。
以上、今回は駒の効きの大切さについて、角と香を例にお話いたしました。
駒の効きを意識すれば、より上等テクニックである“捌き(さばき)”の理解にも役立つものと存じます。
それではしばし、またの機会に盤上でお会いしましょう。JTでした。
ありがとうございました<(_ _)>