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クリント・イーストウッドの最新作にして入門作。『運び屋(THE MULE)』

MOVIE ADDICT

みなさんこんにちは!

大阪市・越谷市のウェブ制作会社エンジョイワークスです。

 

『運び屋』エンディングテーマをBGMに、以下レビューをどうぞ。

 

クリント・イーストウッドが6年ぶり(自身の監督作では10年ぶり)に俳優復帰しました。

『運び屋(原題:THE MULE)』で、主人公のアール・ストーンを演じています。

 

<以下、軽微なネタバレ注意>

 

 

あらすじ

アールは若いころ米軍に在籍し、退役後は園芸家として名を馳せました。

一方、仕事に熱中するあまり、家族をないがしろにして妻や娘とは絶縁手前の状況に。

そして年月は過ぎ去り、今や90歳を迎える老人になりました。

かつては成功を収めた事業も下降し、自宅は差し押さえられてしまいます。

 

家財一式を愛車のオンボロトラックに乗せてさまよい始めた矢先。

ある男から「車をただ走らせるだけで稼げる“仕事”がある」と話をもちかけられます。

幸い“仕事”はうまくいき、羽振りがよくなったことでお金に困った人びとを助けるアール。

しかし、妻子は以前として厚い壁を保ったままでした。

 

やがて、アールは“仕事”を通じて厄介な状況に巻き込まれ、家族にも不幸が訪れます。

そのとき彼は何を選びとるのか・・・というのが、今作の大まかな流れです。

 

 

みどころ

まず驚くべきことに、作中のアールの年齢≒クリント・イーストウッドの実年齢です。

1955年の俳優デビューから、60年以上にわたって映画づくりに携わり続ける。

その存在はアウトローにして、まさに生ける伝説と化しています。

 

イーストウッドが主演を務めた老人といえば、真っ先に『グラン・トリノ』が浮かびます。

ただし、コワルスキーに比べてアールは「気前のいい爺さん」という印象が強いです。

カーオーディオに耳を傾けて鼻歌を歌い、きれーなおねーさんに鼻の下が伸びる・・・

そんな俳優・イーストウッドの姿は新鮮ですらあります。

お金に困った身内を助けることも、いい人扱いされたいという下心が見えなくはありません。

 

 

それでもやはり、イーストウッドはイーストウッドだった。

主人公に「退役軍人というプロフィール」「愛車は米国産のフォード」などの記号性を付け、

道中で出会うマイノリティたちを無邪気に蔑み、スマホ頼りな若者をあざ笑う態度もとらせます。

(かくいうアールも、スマホの操作を強要されてしどろもどろになるのですが)

しかし、それは愛国第一主義や人種差別を助長するためというより、

人は誰しもが完璧じゃないことを彼なりに表している、と捉えられるのではないでしょうか。

 

そして、「極めて困難な状況に追い込まれたとき、私たちは何を選び取るべきか」という、

イーストウッドが長年示し続ける人生最大のテーマも健在でした。

『グラン・トリノ』や『ミリオンダラー・ベイビー』では壮絶な暴力性をともないましたが、

本作は比較的角がとれていながら、メッセージ性はより強められています。

 

老いてもなお「人生を楽しみたい」「家族への愛を取り戻したい」と奮闘する姿に、

きっと心を打たれることでしょう。

 

 

最新作にして入門作。

頑固(“MULE”)なジジイからガツンと説教されたい方に、

ぜひおすすめしたい1本です。