映画レビュー 『ユリイカ』

MOVIE ADDICT

こんにちは!

大阪市のWEB制作会社エンジョイワークスのライター2号です。

 

突然ですが、みなさんはDVDやBDを買って、

その後何年も見続けている映画ってありますか?

 

自分の場合は大抵買ったことで満足しちゃって、

気づけば一度も見直していないなんてこともザラです。

それに今のご時世はレンタル・配信・サブスクリプションと、

さまざまなチャンネルが充実しており、

オンデマンドで見れば足りることが圧倒的に多いんです。

 

しかしそんな私でさえ、1枚だけどうしても手放せないDVDをもっています。

その作品は、青山真治監督の『ユリイカ』です。

 

 

『ユリイカ』あらすじ

 

 

北九州の、とある郊外の街で起こった凄惨なバスジャック事件。

生き残ったのは中年のしがない運転手である沢井(役所広司)と、

乗客では小学生の兄妹(宮崎将・宮崎あおい)だけでした。

 

沢井は事件のショックからか、妻をおいて数年間失踪。

実家に戻ってきたときに離婚届を突きつけられます。

過去の記憶にとらわれつつも、友人のつてで働いていたある日。

 

あの兄妹がふたりっきりで生活していることを知り、
(過熱する報道に翻弄されながら母親は家を出、父親も死亡)

「誰かに役立ちながら生きること」を決意してその家へと向かったのでした。

 

 

『ユリイカ』レビュー

 

 

まず挙げられる特徴は、映像の色味です。

2000年(日本では2001年)公開と、バリバリ平成の作品ではあるのですが、

『ユリイカ』の映像はあえて暖色系のモノクロ的な色調で統一されています。

Wikipediaによると、モノクロで撮影されたフィルムをカラーに現像しているそうで、

慣れれば不思議と違和感がなくなっていくのが体験として興味深いですね。

 

尺は217分=3時間37分という、鑑賞するには覚悟が要りそうな長さであり、

物語も急展開は少なく、ただ風景を映しただけのカットも随所に挟まれながら、

登場人物とともにおなじ時間を過ごしていきます。

 

ここが最も評価が分かれているところで、刺激を求める方にとっては

「つまらない」「寝てしまった」「アート系(笑)」と批判される一方、

「最高傑作」「人生について考えた」「始まりと終わりが神」などの大絶賛の声も多くあります。

 

もちろん私は後者のなかのひとりです。

ハートフルな場面もなくはないのですが、基本的には不穏な雰囲気が多くの時間に漂っています。

それでもなぜか「心地いい」と思えてしまう演出の妙。

実際に九州地方出身の名俳優がよりすぐられ、過不足のない丁寧な演技がまた素晴らしい。

 

なおこの作品を監督した青山真治さんいわく、

「ユリイカのような作品を撮ってくれという声がいまだに多く、正直いい気はしない」

どこかのインタビューで語られていたような覚えがありますが、

20年ちかく経った今もなお、同監督の金字塔的作品として輝き続けています。

 

残念ながらソフトはただいま絶版中。願わくば、ぜひBDで再販してほしいところですが、

レンタル店には「邦画ドラマ」コーナーに大抵用意されています。

どこか遠くに行きたいような気分になったとき、

人生に迷いが出たときに、ぜひ借りてみてください。

 

 

まだまだ語りたい『ユリイカ』

本当はこの作品に絡む個人的なアレやコレやをもっと書きつけたい気分ですが、

それをやってしまうと3倍くらいのボリュームになってしまいそうですので、

今回は自重したいと思います。

 

ただ、最後にひとつだけ。

この映画は音楽も最高に素晴らしく、同じく廃盤ながらなんとか入手したサントラを、

今でも擦り切れるように聴いています。

 

そして同サントラには収録されていないのですが、

ジム・オルークというアーティストさんの楽曲『Eureka』が、

劇中重要な場面でラジオからかかってきます。

その曲がまた素晴らしくて…よろしかったらこちらの動画でお楽しみください。

※終盤シーンのため、未見の方は注意※

 

「生きろとは言わん。ばってん、死なんでくれ。」

 

 


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