ビジネス組織で覚える!将棋の駒の動き方

エンジョイ将棋道場

 

みなさんごきげんよう。エンジョイ将棋部の席主、JTであります。

 

さて、第一回目となる前回は、将棋の考え方がいかにビジネスシーンで活用できるかについて、3つの項目にわけて説明させていただきました。とはいえ実際に将棋を指そうにも、まずは基本的なルールがわからなければむずかしいことでしょう。

そこで今回は、将棋における駒の種類と動き方について、実際のビジネス組織に置き換えながら紹介してみようと思います。さっそく順番にみていただきましょう。

 

駒その1:歩兵

将棋におけるもっとも基本的な駒、歩兵。最前列にズラッとならぶ彼らは1マスずつ、前にだけ進むことができます。そんな歩兵は言わずもがな、左右のわからぬ新入り社員ですね。指示されるがままに、先方の様子をうかがいに出向き、利益をだすためには犠牲にさせられることを断れません。相手他社とのトレード要員にも真っ先に選ばれる、入れ替え可能で潤滑油のような存在ですが、ときには接待で相手を引きつけるための話題づくりや、幹部を守る足切り要員盾にもなりうる存在、それが歩なのです。相手陣に入れば金将クラスへの出世もできますので、望みを捨てずに頑張ってください。

 

駒その2:桂馬

次に紹介する桂馬は、将棋の駒のなかで最もトリッキーな動きをします。斜め前のさらにひとつ先のマス目へジャンプすることだけができる特殊な駒です。左右どちらでも動くことができ、「両取りの桂」という有名な手筋があります。その独特な動きは、さながら謎のルートで成果を拾ってくる中堅社員といったところでしょう。予想外の視点から予想外のアプローチで戦果を上げてくるのが桂馬の真骨頂です。ただし「桂馬の高飛び歩の餌食」という格言もあるとおり、一度飛び出すと後戻りはできません。慎重に起用しましょう。

 

駒その3:香車

社内でもっとも窓際に控えている駒、香車。左右の両サイド端で出番を待つ彼らは、縦だけに動けるという点で歩兵と似ているようで、この駒がすごいのは縦であればどこまでも突っ走れるところにあります。例えるなら度胸だけは並大抵ではない、単刀直入系中堅社員であります。あまりの勢いのよさで、ときには相手社長をも一発で説き伏せる鋭さをみせますが、桂馬と同じく後ろには引けません。欠点は反省ができないことと、根気がないことですね。すこしでも障害があればそこで引っかかり思考を停止させてしまうのです。諦めが早いというか、ゆとり世代らしいというか。

駒その4:角行

ここからは幹部の紹介となります。まず課長クラスの角行は、前後の斜め=4方向にどこまでも進むことができる駒で、相手陣の隙をねらった攻守が得意です。たとえ相手の飛車部長(後述)が猛烈営業を仕掛けてきたとしても、わずかな綻びをみつけて論破し、撤退させることも可能な、頭がキレる策略家です。しかし弱点があって、真上からの攻撃に弱くなります。正面から熱意でゴリ押しされると言い伏せられてしまう気の弱さがあります。ちなみに変わり者同士で気が合うのか、桂馬とのコンビネーションを非常に得意としています。

 

駒その5:飛車

そして営業部の部長・飛車は、会社いちばんの稼ぎ頭にして、それだけにヘッドハンティング(取られて相手の持ち駒に)された時は会社の経営が傾くほどのダメージを受けかねない、とても重要な駒です。動きは縦と横にどこまでも移動ができます。また、これは角行もおなじなのだが、相手陣内に上がり込めると竜王(角なら竜馬)に進化し、従来の動きに加えてほかの方向にも1マスずつ動けるようになり、もはや王将=社長をも超える超人的な人材に成長します。一方で単騎特攻はあまり得意ではなく、歩兵や銀といった駒が犠牲となってこじ開けたルートを通ってこそ大暴れができ、やはり部下の頑張りなくして大成果は得られないのです。

 

駒その6:銀将

以下の駒はそれぞれ「将」という字がついているとおり、会社の心臓部に近づいていきます。といいながらも、銀将に関しては相手とのトレード(”銀交換”)に起用されることが多く、入れ替え可能という意味においては、社外で法務関係を委託する外部事務所という表現がピッタリくるのではないでしょうか。もちろんいなければ会社の運営はたいへん忙しくなりますが、不可能ではない気がしてくるから不思議ですね。動けるのは前、斜め前後、真横の7方向です。

 

駒その7:金将

もうひとつの「将」は金将です。「金なし将棋に受け手なし」という格言があるとおり、最後まで王様を守るためになくてはならない一方、「金はとどめに残せ」とも言うように最終盤の決め手としても有能な、まさに攻守の要(かなめ)というべき存在です。創立以来、社長とともにタッグを組んできた最古参幹部とでもしておきましょう。

 

駒その8:王(玉)将

最後のご紹介となるのは、我らが社長、王将です。すべての方角に1マスずつ動ける動きは、長年の経験に基づく引き出しの多さとともに、どっしりと腰を据えた落ち着きをも感じさせます。将棋とはこの王将を詰めることが勝利となるわけですが、これがなかなか捕まりません。「王手は追う手」の格言どおり、無意味な追跡はスルスルとかわされ、果てに自社内を悠然と闊歩されてしまうともう手が打てなくなります(これを入玉という)。また逃げるだけでなく、直接相手の駒をとってもいいし、際の際では自ら防御にはたらくこともでき(これを顔面受けという)、やろうと思えばなんでもできる、それが社長=王将なのです。とはいえ取られても別の駒が次期トップに就任などということは通常許されませんが、たとえば「◯代目まで後継者を決めていい」といった特別ルールで対局しても面白いかもしれませんね。

 

 

以上長くなってしまいましたが、将棋における駒の動き方について、
ユーモアな例えを交えながらお伝えしてきました。
あくまで一般的なイメージをもとに書かせていただいたことはご承知おきください。
基本ルールの記事と合わせ、これでいよいよ対局への準備が整ってきましたね。

 

それでは次回、貴殿のご来訪をお待ちしています。
しばし、またどこかの盤上にて。

 

 

 


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