“二つ折れ貴族”に“将棋星人”が挑む。名人戦の見どころ一挙解説!

エンジョイ将棋道場

1948年度名人戦での大山康晴(左)と塚田正夫(右)

 

みなさん、ごきげんよう、

大阪市のWEB制作会社エンジョイワークスのライターにして、

勝手にエンジョイ将棋道場・席主を名乗っているJTであります。

 

NHKの毎週日曜10時に放送されている『将棋フォーカス』にて、

“カブっている”エンターテイメント棋士として名高い佐藤紳哉七段による

エンジョイ将棋」というコーナーが始まってしまい、

いささか看板を掲げにくくなっている気配もなんとやら。

今回は、いま将棋界でもっとも注目されている、

佐藤天彦名人に羽生善治竜王が挑んでいる名人戦について、

その見どころを“光速の寄せ”(©谷川浩司九段)バリのスピード感でご紹介いたします。

 

見どころその1:羽生善治竜王、タイトル100期目&竜王名人なるか!?

テレビのニュースで紹介されるくらい、お茶の間にも知れ渡っていることですが、

もし羽生善治竜王が名人の称号を奪取するとタイトルの総獲得期間が

前人未踏の100期に到達します。

また竜王と並んで将棋界の最高峰タイトルである名人、その両方を保持すれば、

名実ともに将棋界の“天下無双”棋士ということになります。

 

…とはいえ、当の羽生竜王ご本人はそういった話題はそれほどこだわっておられないでしょう。

羽生さんにとって数字はただの数字であり、

将棋の真理を追い求め続けるなかで結果的についてきたということではないでしょうか。

それよりも注目されるべきポイントを、私はお伝えしたいのです。それは_

 

見どころその2:人はおろかコンピュータすら凌駕する羽生竜王の指しまわし!!

すこし将棋界のことをご存じな方なら「そんな馬鹿な」と思われるかもしれません。

なぜなら2017年の第2期電王戦にて、まさに今回のタイトルホルダーである

佐藤天彦名人がコンピュータに完敗し、「コンピュータは人を凌駕した」という説が

一般的となっているからです。

 

では「羽生竜王がコンピュータを凌駕する」とはどういうことか。

最近充実しているネットでの対局観戦では、

画面にコンピュータによる評価値や指し手予測が表示されます。

やはり、大体の対局では「コンピュータの推奨手が答えで、間違えたプロが劣勢になる」

という構図がどうしても多くなってしまうのですが、羽生竜王はちがいます。

コンピュータが予測していない手を指し、一度は減点されたはずが、

局面が進むとそれが最善手であったことを

コンピュータが認めるという逆転現象を度々起こすのです。

 

なぜ40代半ばを過ぎた現在でも、まさに神がかり的な手を指すことができるのか。

それは羽生さんの「将棋の真理に近づきたい」という飽くなき探究心がなせるものなのです。

巷では「将棋は最後に羽生が勝つゲーム」「羽生は将棋星人なので国民栄誉賞をとりあげるべき

羽生は衰えた(n回目)」などの皮肉なキャッチコピーが生まれています。

 

見どころその3:対する佐藤名人の爽やかに不思議なキャラクター性!!

羽生竜王のことばかり言及してきましたが、対する佐藤天彦名人については、

その名前を初めて耳にする方もおられるかもしれません。

しかし当然名人の座に君臨していることが示しているとおり、正真正銘のトップ棋士です。

実は、今手にしている名人の称号は、羽生竜王から奪取したもの。

当時は28歳という若さで、「新しい時代がやってきた」と衝撃をもって迎えられました。

その後も安定した戦績を残し、昨年度は防衛に成功、今回が3期連続の名人獲得挑戦になります。

 

実はこの佐藤名人、爽やかで普通にとてもよい方、

という印象があり、それは大方そのとおりなのですが、

独特のファッションセンスからついたニックネームは”貴族”。

そして対局中特徴的なのが、体をぐにゃりと2つ折りになって考える癖があります。

特にタイトル戦は着物を着て行なわれるため、分厚い座布団のような見た目になります。

 

対局中の姿勢というのは、休憩になにを食べるかと合わせて棋士の個性が表れます。

そういったところも観戦するときの楽しみのひとつではないでしょうか。

 

 

 

以上、いろいろ端折ってまとめたものの1500文字を超えておりますが、

名人戦の面白さ(というか主に羽生竜王の凄まじさ)について

少しでも伝われば幸いです。

 

なお名人戦は7番勝負で先に4勝すればタイトルが得られます。

第1局は壮絶な斬り合いの末に羽生竜王が上回り、

第2局は佐藤名人が盤石な指し回しで現在戦績はタイに。

羽生竜王が100期目のタイトルを達成するのか、

佐藤名人が次世代の旗手としてプレッシャーをはねのけるのか、

引き続き注目してまいりたいと思います。

 

 

 

 


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